かつて、はてなにはハロプロ村とでも言うべき一大コミュニティーが築き上げられていたように思う。

 知らないあいだに、はてなダイアリーが終了することになっているらしく急いでインポート作業を済ませた。むかし自分が書いた記事は、ある意味ライフログ的な大切な記録なのでなるべく残していきたい。…どうやらサービス停止期限を過ぎると勝手にインポートされるようなので、放っとけば良かったのかもしれないが。

 かつて、はてなにはハロプロ村とでも言うべき一大コミュニティーが築き上げられていたように思う。

 まだ世界にtwitterも存在しなかった時代、アイドルオタクはファンサイトに集っていた。ファンサイトの掲示板でやりとりした記憶は自分にも微かに残っている。2003年から2004年頃、mixiをはじめとするSNSが登場し爆発的速度で普及すると、アイドルオタク達も各個人がブログを書くようになり、ファンサイトは廃れていった。こうした流れの中で、はてなダイアリーにはおびただしい数のアイドルオタクがブログを開設し、ハロプロ村とでも言うべき集団が形成されていった。

 ハロヲタはてなを好んだと言うよりは、SNS黎明期のメジャーアイドルといえばハロープロジェクト以外に無かったし、たまたまオタクが集まったという方が正しいのかもしれない。当時はiphoneもLINEも無かったため、オタク同士の連絡手段は主にhotmailメッセンジャー(略称メッセ)であった。他人とつながるシステムが今よりも乏しかった時代、はてなキーワードトラックバックはとても画期的だったし、ファンサイトを受け身的に眺める作業に慣れていた身からすると、自分の手で何かを書くのが楽しくてたまらず書きまくった。ハロプロ村は、そんな時代の遺産とでも言うべき存在のように思う。

 自分は2008年以降、ハロプロの現場を見ていない。当時知り合った人々とも、ごく一部とは連絡をとる事もあるが、皆それぞれに推し変していたり、ヲタ卒していたりするのだろう。直接交流したことはないが自分でアイドルになってしまった人もいる。

 さまざまにファンの有り方や情報伝達手段が変わっただけで、ハロプロは脈々と受け継がれている。自分が観ていたハロプロエッグ公演で、確変と騒いだあやちょはハロプロのリーダーとなり、またエッグ新メンバーとしてお披露目されたふくちゃんはモーニング娘のリーダーになった。今はハロプロを卒業しているかのんやのっちもtwitter上でそれぞれに元気そうである。

 はてなダイアリーには、当時のハロヲタが紡いだ言葉がたくさん眠っている。まもなく訪れる廃止のときを、自分と同じように感慨深く感じる人がどれだけ居ることか分からないけれど、少なくとも自分は、この記録たちを懐かしくあたたかく感じている。

 2019年。インポート作業のついでに、10年ぶりの更新を残しておきます。